友情とは言葉である。恋愛とは言葉である。心の壁を打ち破り,侵食できる武器は唯一,「言葉」しかない。それは,ワイヤードでも,リアルワールドでも,変わりない。
レディネット・モニターの調査によると,メール友達の人数は10人以下が33%と一番多く,次いで5人以下29%,15人以下16%,と続く。既存の友人・知人とのコミュニケーション手段としての便利性の意見も多いが,インターネットで新しい友人を見つけるケースの比率も高くなっている。また,そこから恋愛,結婚へと結びつくこともかなりあるようだ。メールはコミュニケーションの仕方,あり方を変えながら生活へと入り込んできている。
もともと,男性よりもコミュニケーションツールの使いこなしがうまい女性たちのアンケート結果というのが色濃く出ている。それを抜きにしても,メールの利点はやっぱり多い。距離が離れてても大丈夫,相手の都合を気にしなくていい,悩みや愚痴も気軽に話せる,金銭的にも安い,メール友達だといろんなしがらみや損得勘定がない,趣味や特定の話題で盛り上がれる,などなど。もちろん,危険や面倒なことも多いのだが,それ以上の有用性を述べる意見が多い。
リアルとはちょっとだけ違うコミュニケーションがそこにはある。お互いの素性を知らぬまま,言葉だけのやり取りでなされるコミュニケーション。それは何かが欠けていると感じられることもあるが,案外,それでいいのではないかと思われるときもある。心の壁を融いていく方法はひとつじゃない。もし,独りでいるのが辛かったら,発する言葉の届け先が欲しかったら,ワイヤードのコミュニケーションに心を預けてみるのも,悪くない。
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